あるとき私は、大いに真面目でありながら冗談めいた口調で
「Yさんなら きっと原価率30%までが鉄則の飲食業で70%以上は素材に遣っているような気がする。それくらいのバランスだと思う」
彼女 Yさんは 自嘲気味に でも笑いながら「アツコさん・・実はそうかもしれない・・・」と告白されていました。
これは 彼女が飲食業だけではないことからも収入を得ているから出来ることであって・・・一本だけなら それは 商売として成り立たないってことくらいは いくら世間知らずの私でも 分かるようにはなってきました。
札幌って 都会なんだなぁと ときどき そんなお店に出会うときに思います。
人が集まっても 歴史がないと 時間がかからないと 実現しない豊かさがあるかと 思います。
彼女の場合は受け継がれてきた贅の中で培うことの出来た彼女の感性や資産を、いち 消費者である私に その 内容を 鷹揚に提供してくれているんだなぁ ありがたいものだなぁ と その空間や 美味しい一皿に 感謝しながら 私は 時に そこにいることがあります。
一方では、ゼロから築いても一生懸命身体をつかうことと、ピッカピカの笑顔とよい気を配ることで 商売繁盛させようとしている人には 必ず応援団がつくものだなぁ・・・と 感心することもあります。
先日、大変こじんまりとしたパーティをスクールでした時に、私達のスクールが できることは 限られていることかもしれないけれど
16年前の あの時よりは いまのほうが 豊かにはなっているかも・・・しれないな。と、思えたことでした。
すごい利益が出た。だな〜〜〜んてことは まず 私達のこの業種ではないことですが。 でも、なんだろう 時の中で 出会いがあり 別れがあり あるときは 人と和解できないこともあったでしょうし。 また あるときは 人との結びつきに感動したり。 そんな時間を繰り返し 繰り返し 繋げてきた 結果である。まるでご褒美のような、時の豊かな厚みを感じたのです。
そんなことを 考えていた 今日の午後。
11年前に うちで フランス語を教えてくれていた ベルギー出身のジェロームが 奥さんと子どもとで札幌に10日間帰ってきていると、おみやげを持って顔を出してくれました。
ハンサムな24歳だった彼も35歳のパパさんで。 ベルギーでは 乗客を運ぶ飛行機のパイロットの仕事に就いて7年目になり、今度は家族でカナダに移住を考えているらしい。
いろいろな人と 出会い 別れの摂理・・・それでいいんだよな・・・ 私達の仕事は いかに どのように 人と気持よく 別れてゆくか。それが 仕事であるように思える。 いい人と出会い、そして 別れてゆくことが 私達の最高の財産なのかもしれないと思うようになってきました。それゆえに 先日のある夏の パーティの時間に そんな方々のあたたかさや気持ちを感じたのかもしれないです。でも それを感じれるようになるのに わたしにとっては これくらいの時間が必要だったんだな・・・と これまで続けることのできた幸運と出会いに 頭が下がるような気持ちになりました。
ありがとうございます。