Button and Rose

バラの季節になりました。 家のバラたちも少しずつ咲き始めてます。

5年目についに病気がついてしまったバラ木2本の枝を、ばさりっと下から剪定し、どうかな・・と思ったけれど 元気にシュートを持ち始めぐんぐんと生き返り始め、他の元気なバラたちに追いつこうとしています。きっと来年にはまた元気な花をつけることでしょう。

バラは西洋の花であるのだなと思うのはそんな様を見るとき。

華やかで、主張がはっきりとしていて、そしてちょっと弱いくせに逞しい。

そんな大好きなバラではあるけれど庭がバラの花だけだったら、きっとうるさく感じるのだろうな・・・と最近 和の楚々とした花にも目がゆくようにもなり、少しずつ少しずつ静かな空気を保てるものも増やしてみようと思っております。

と、話は変わりながら

ある時から 衣服を整理し、これからは自分がこれと思ったものを集めてゆこうと決心をしたのです。

その時の記念にエイッという気持ちであるフランスブランドのシャツブラウスを求めました。

エイッ!としたのは それほど 慎重にワードローブを企てて服を揃えてゆきたく思ったから。

着ながら育ててゆける洋服って どういうものだろうか・・・と 恐る恐る始めてみた中で

その一枚に関して、5年経ち、感想をもったことは

シャツでもブラウスでも一番上のボタンは、留める穴(ボタンをいれる切れ目のこと)が必ず、大体は横につけていることを皆さん、ご存じだったでしょうか。2番目からは縦になっていても上は必ず横になっているかと思います。

そうでないと、だんだんと ボタンのおさまりが悪くなってくるという理由らしいのです。

洋裁をされる方なら、きっと常識なのでしょう。

ですがわたしの求めたその一枚は、一番上のボタンも縦のボタン穴がついています。 デザイン性からなのかと思いながらも、ボタンがみえないようなデザインにしていることから、どうもそれが理由ではなさそうです。

と、いうことは、この洋服を知り尽くした人たちの中にも その常識を知らないという人がいたのだろうか?ということです。

その一枚を身に着けると 確かに 気持ちはあがります。 シンプルなのに華やかな気持ちにさせてくれる一枚って さすがは 世界的に有名なお店のものなのだな・・・と思います。

が、あまり袖を通す機会に恵まれないのは、白だしちょっと気の張る一枚ということもありますが、私は このボタンの感触が問題なのではないか?と 思っています。

このボタンは、服を知り尽くした人たちの遊び心なのか・・・それとも ただのぼんやりだったのか・・・

それは推し量られながらも、着用に若干の居心地の悪さを感じさせるとしたら、残念ながら この購入は失敗だったのかな・・・それでもまだ可能性を持たせてくれる何かがその洋服には宿っていて。いつか もっと年をとったときに、自分で洗濯をじゃぶじゃぶして この一枚を 洗いざらしのジーンズに合わせてる。その時は 上のボタンももしかすると 横に自分で穴を開けているのかな・・・という思いを馳せてその一枚を眺めていると、これは もしや作り手の遊び心からのものだったのかもしれないと思えてきたり。

華やかで、主張が強くて、そうかと思えば 脆くって 手に負えないかと思えば意外とタフ。

フランスを代表するブランドの一着と、バラの存在は どこか似ている。

そんなバラばかりでは疲れてくるから庭にグリーンと静かな花との組み合わせを求めるように

ワードローブも、地味でも作りのしっかりとした間違えのない洋服は、なぜか日本人が作る衣服に多くあるように感じる。

Arts and Scienceの服は 地味さの中に普遍性と魅せるを持っていて、作りは間違えがないな・・・と感心することが多い。

Artsの服は 庭でいうなら おそらく グリーンあたりの位置づけなのかなと思ったり。こちらの写真は生徒さんのお庭の素敵なバラたち。彼女の素敵なバラをみると やはりバラが一番好き♪と思ってしまいます。