冷蔵庫管理

親の反面教師というのがある。

一つだけ、自分にとっての親の反面教師に感謝していることがある。

それは、ものすごい几帳面で癇性なまでに奇麗好きというわけではないけれど、自分では掃除、整理整頓は心がけている部類に入ると信じておりまして。

そしてこれは、絶対に自分の場合は後天的、自ら学習しながら会得したもので、親の姿をみて自然に身に着いたものではない!と、言い切れるものなのです。 その反対に、親をみて、こうはなりたくない。・・・という気持ちがうまれたものの一つは、冷蔵庫の食べ物を無駄にしてしまうこと。で、あった。

 

育った家庭は 中学生頃までは賄のおばさんたちが昼、夜と用意してくれるような家庭だった。

台所を受け持ってくれる賄の田中さんや田浦さんがいてくれた頃までは、我が家の台所管理はきちんとなされていたと思う。が、その後、店と住宅が離れて住むようになってからの我が家は、台所を受け持つ人というのが不在となり、それなりに食材は潤沢にあったのだろうけれど、(実際に冷蔵庫はいつも買ったものや頂き物の数々で食べ物が溢れていたように記憶している)冷蔵庫からはなんというか不穏な空気が流れ、奥のほうでは野菜がもはや形を成していない・・・ということが頻繁にみられた。

私はそれを見るたびに、とても残念無念に思い。 働き お金を稼いでも、何かを垂れ流して 食べ物だけではない何か大切な多くのことを無駄にしている生活って まったく 豊かでないんだろうな・・・と、自分が家庭を持ったら こんな冷蔵庫だけは避けたい。と、心に誓った。

そして、ここ数年の話ではありますが、ほんとーに 食べ物を無駄にしない冷蔵庫を手中にしたな。と、冷蔵庫を開き 大げさですが、にんまりとやっと得られた人生かけての達成感に浸っております。

色々なタイプの人がいらっしゃるので、これが 皆さんに当てはまるとは言わないですが、今の生活スタイルと自分の性格、行動パターンに適した冷蔵庫。それを持てた幸せ。自分はこのために生きてきたのではないかと思ったりして。

まず、乳製品:牛乳 バター チーズ ヨーグルト:   ジャム類 味噌 梅干し 保存食 ケチャップ マヨネーズの類の調味料は とにかく目のつきやすいところへ置き 所定の場所に置きながらも 必ずや消費してゆくものという心理を働かすこと。

そして 生鮮食品 それは 自分の場合は買い溜めはNG。2日に一回ペースで買い求め。お肉や魚なら下準備したり、水分をとるのにキッチンペーパーをあてたりと、とにかく コツは これらの食品は 位置を動かすこと。多くの場合、動かさないようにしようとするから食べ物をダメにしてしまう。そんな気がします。

一段を空っぽにしておいて、そこに調理中の冷やすものを入れたり、とりあえずのものを置いたりし、そして冷蔵庫を開けたときに、あれ? あのタッパーに入れていたものはなんだった?と 中身を確認したり すぐに使わなければならないもの。として 緊急を要するものを置く、そーゆー場所として使うところを確保する。

コツは とにかく ものを動かす。と、いうことにあると思う。ずらして ちがうところに移動するということを怖がらない。その感覚。

溜め込まずに ものを流して ぐるぐると使ってゆく。そのイメージが冷蔵庫に定着すると

いちいち冷蔵庫を掃除することもなく、とにかく循環がよい。

いってしまうと 明日はこころもとない 私の大得意とする(苦笑)自転車操業をしている感覚。なのかもしれない。

が、それが気持ち良いということは きっと、そういう性分なのでしょう。

内部留保も大切で憧れますが、内部留保に必死になりすぎずそれは美味しくできた料理を冷凍して、これも日常の食卓に1週間に一回は参加させる心持で。冷凍庫も貯めるところではなく 通過するところを意識する。

だから うちは いつまでたっても ふけばとぶよな なんかなのでしょうかね。

 

そして いま スクールの2階に住んでいる母のところにも 私は、ついつい自分の好みを口出しをしてしまい、最初は「うるさいわね。口出ししないでよ」と反抗していましたが、賞味期限2008年のものを前にして、娘である私に、こんこんと説教されたのが余程悔しかったのか、最近では少しずつましになっているのかな?とそれとなく 改善されているような。

溜め込むことが好きな世代もあるのでしょうし。その人の好きなパターンが冷蔵庫に現れる。とはいえ、料理嫌いでも食材買うのが大好きで そして 溜め込むことを喜びとする そんな母に 唯一、説教のできること。それは 自分の場合は、冷蔵庫管理で、これは反面教師がいうことを効きました。