お客様は神様です。と、三波春夫さんは歌っていた。が、ほんとーにそうだと思って歌っていたのなら、あなたはえらい。と思う。
自分もじゅうぶんにおばさんだが、私は 勇気を出して言ってしまうと、お店の店員さん相手に、買いもしないくせにだらだらと話し続けるおばさんが大嫌いである。付け加えると 後からお客さんが来てもおかまいなく我が物顔で 独占状態を、ものともしないような人のようにはなりたくないなぁ。と いう目でついつい、みてしまう。
で、 これはかなり偏見もあるかもしれないが そういう人の多くは 自分を素敵だと信じているタイプの中高年に多い・・・ような・・・気がするのですが、どうでしょう(ちょっと気弱になる)。
本日 久しぶりに 雑貨店も兼ねているカフェSに取りおいてもらっているキーホルダーを買いがてらお昼も食べてこようと行ったところ。入店すると華やかな笑い声がする。お洒落で素敵な60代くらいの人が一人しかいない店員さんと あれやこれやと品物を楽し気にみている。 ああ これは長引きそうだな と 買い物はお昼を済ませてからにしようと 二階のカフェでサンドウィッチとコーヒーを頼んで落ち着くと、その妙齢の女性の ちょっと人を魅了するお話を軸に 接客する人の声が高らかに店内に響き続ける。
聞かなきゃいいのに 聞こえてくるものだから ついつい 耳を傾けてしまうと、そのお客さんの、素敵な、どこかでなにかの話が続く。 で、まだ若い、可愛らしい店員さんは、すっかりとその素敵そうな女性のお話にうっとりと ハイな様子で対応し続ける。 ひねくれたものの見方の2階席に座る人のことなど全く視野に入っていない無邪気さが、こういってはなんだが なんつーか・・・段々と勘に障ってくる。という始末。
で、このお客さん これだけ話し続けるからには どれだけのものを買うのだろうか? と 「じゃ・・・これ、いただくわ」の声を なぜか 2階の席の無関係の私が待ち構える。しかし、一向に その気配はない。
そこへ、勢いづいて入店されてきたお客さんがひとり その二人の声高らかな会話を中断させた。
そのお客さんは あるものを目掛けて入店されたな。と、二階にいる私の目からも一目瞭然で分かった。
しかし、そのお客さんの出で立ちは、そのお洒落なお店の雰囲気からは ちょっと外れるものがあって 会話に盛り上がっていた二人もそう察知したのだろうか、放っておこうという感じでまた二人の会話が始まろうとした瞬間、「ここにあった あのガラスのポット!もう一回り大きいのは売れちゃったんですか?!」という 地のままの声に 若い店員さんは何かを返答したのだ。が その言葉に お客さんの声だけが「えええ~~~ 次の入荷が11月う?あの時もう一度家に帰って確認してから来ますねと言っていたのに」と叫ぶ。 それに対し 店員さんは「週末にある方がお買い求めになってしまって」と、 その声音には ちょっと不服そうななにかが潜んでいるようにも感じたのは 私の行き過ぎた感じ方だったかもしれないが。
でも、そのお客さんは とにかく 買いたいものがはっきりとしていたので、そのオブジェクトに向かい すり合わせのやりとりが成されていき、店員さんと お客様の間にもとりあえずの、笑い声が・・・ 「ホッ・・・」と 私は一体 サンドウィッチを食べながら何をしているんだろうか・・・。と、あれ? そーいえば あのおばさん 静かだけどまだいるのかな? と 下を覗く。 と、まだいたが これ以上 いても相手にしてもらえないんだろうと 分かったのか 退散してゆく。 当然 買い物袋はない。
名夫人の1万円も、どこかのお姉ちゃんの1万円も 同じです。 とは、よく言ったもので、一万円は一万円 販売する人は その一万円に対して 頭を下げるのである。と、どこかでそう信じているゆえに、店員さんの時間をいいだけ奪う。ということがどうしても出来ない。見ているだけなら そう最初から言ってしまう。
素敵婦人は明日のお客様かもしれないが まず ものを買ってから 長話はしてください。と、個人的にはあの、お財布を握りしめて 家からつっかけ履いて、もの目掛けて猛進して入ってきた(印象の)お客さんの方が 自分の好みにあっているなぁと2階から拍手を送りたかった。