Hospital room 病室
先日、実家に帰った翌日に父が急遽入院することとなってしまい、トンプソンには予定通り札幌に帰ってもらうこととして。
母と私とで病室に入院道具を持っていったりした際の病室にて。
4人部屋で カーテンを閉めて奥さんに ネチネチと文句を言っているおじさんの声が。
内容はよく聞いていませんでしたが、後に母が「あのおじさん。僻みっぽく ”自分はものの数に入っていない”とかなんとか 奥さんに訴えてんのよね。あんなの 奥さんだって 嫌になって終いには見舞いになんか来なくなるわよ。私なら 蹴っ飛ばしてやるわ」と、自分の夫でもない人にやたら腹を立てている。
妻連盟の代表とでも勘違いしてるのか、自分のうちのことでもないのに他人の夫に対して「うちのパパはあんなんじゃないからよかったわ」とプンプンとしているから おかしい。
「でもさ。訴え方の方法は違っても、似たり寄ったりなんじゃないの? さっきも 看護婦さんの しばらくは絶食です。という言葉に過剰に反応して”敦子、よく聞いておくように。よく聞いておくようにってさ、 お父さん、いくら よく聞いておいたって 絶食という事実には変わりはないんだから。仕方がないよ。って言ったら この世の終わりみたいな顔してた」
と。
翌日 病院に行くと 柿のタネとアイスクリームが食べたい。と いうリクエストに 「絶食なんだからダメだよ。お医者さんから許可が出ていないからね」と 言うと。
「・・・それじゃ・・・なんにも・・ならない」と訴えてくる。
きっと 訳することに。
「それでは、見舞いに来たって、なんにも役に立たない」ということなのだろう。
くっくっくとおかしくなり、病室で笑ってしまうイケズな娘。
斜め向かいのベッドに例のおじさんがいた。頑固そうな顔をしたおじさんだ。
アピール方法は違ったところで。 父もあのおじさんも病室で駄々をこねていることには変わりはない。
奥さんにひがんだ口調で訴えるおじさん。
柿のたねとアイスクリームを食べさせてくれないのなら 見舞いに来たって意味がない。と 駄々をこねる父。
似たようなものではないか。