洗濯機

財務省事務次官の矢野さんという人が「このままでは国家財政は破綻する」と ついに言われた。

ついに 口に出して 言ってくれる人がいたか・・・ と このままでは 日本はあのタイタニック号のように氷山に向かって突き進んでいるとまで。

誰か はっきり言ってくれないと 国がどうにかしてくれると思うようになっては いかんのよ・・・と こんな 算数のできない私でさえも 危機感を感じているのだから 相当 相当な事態に違いないと思う。

言葉をかえれば 言葉をもっと直球にすると もっと 私たちは 自分の生活レベルと向き合わなければならん と あの財務省事務官は言われたんだろう・・・。

自分を反省する こととして、最近 この夏、あの高級電化製品 ミーレの商品が 最大20パーセントOFFになるという 手紙がある代理店から届いた。 なぜ 私の手元にそんなものがやってきたかというと、私はある時期 すごい手荒れに苦しんでいた。 それをみていて 夫と夫の母が 「食器洗浄機を買いなさい」と 夫の母親が少しお金を出してくれ合わせたお金で ミーレの食器洗浄機を導入した。 それはそれは 画期的な投資で 自分の手荒れは改善し 苦しみから解放された。 それは 食器洗い機のおかげのみではなく、手荒れの原因となるような強い洗剤はいっさいやめて、クリーナーは ホワイトビネガーとアロマオイル そして水という手作りのものにかえたのだ。 落ちない汚れはメラミン 激落ちくんで ちょちょっと落とすようにして ビネガーで洗浄 肌にもやさしい。という具合のものだ。・・・ あ・・・ 話が脱線してしまいました。そう なぜ 反省しているかというと

その20パーセントディスカウント のお知らせをみながら 憧れの ミーレの洗濯機も欲しい・・・・と むくむくと真剣に思い始めたのだ。 色々とネットで調べ始めたら 仕上がりの高級感とか そんな声が目につき始める。ミーレの洗濯機にミーレで販売している 香りのよい洗濯洗剤 それと合わせたら 白いものは白く 素材感はしっかりと保護され仕上がるのではないかと そして なぜだか高級感あふれる暮らしが約束されているように思い描く。 あの 経済学者のいうところの Veblen goods

それを使うと自分がワンランクもツーランクもあがると信じ込ませるような 一品。真剣に20パーセントオフになった価格を計算し始める。それでも 40万近くする。40万近くするような洗濯機って すごいが それを自分があと 20年以上生きると仮定してなどと いま買うべきなのじゃないか? と ああ まずい まずいぞ 視野の中に そのミーレの洗練された洗濯機しかみえなくなっている。

・・・と、あれやこれやと考えていると お隣のおばあちゃまが おしんこ巻きとおいなりさん作ったからと持ってきてくれる。

ありがとう! Mさんの おしんこ巻き もう売ったものなんか食べられなくなるほど美味しいです。と 世間話をしていたら

まるで Mさんが 私の心を透かし見たかのように 洗濯機の話を始めた。

「もう うち 洗濯機買い替えなきゃと 思っていたんだけど・・・。私がほら病院に入院していた時 息子が洗濯して、退院してからも 洗濯、俺がやるから って それは ありがたいんだけれど なんか パッとしない仕上がりに思えてねぇ そろそろ買い替え時かしら って思っていたら 私が洗濯したら 白く きれいに仕上がるんだから 男の人の仕事って・・・ねぇ だめだね」

「え! Mさん なにか 白い仕上がりの秘訣はあるんですか」

「やっぱり 白いものは 粉せっけんを溶いたある程度熱いお湯に 30分はつけてから洗わないと。 そして 柄物は、私は 必ず裏返しにして洗うよ。そしてある程度乾いたころに 正面に裏返して干すの」

「そうですよね そうだ 洗濯の基本は 下準備ですよね・・・ ほんっと わたしったら  だめだなぁ Mさん ありがとう いい意見 感謝」

「?」と きょとんとするMさん さすがに 戦前 戦中 戦後を生き抜いた 96歳の方には 正価50万円くらいするような洗濯機のことは話さず・・ 洗濯機は あくまでも 機械で 自分の下準備や諸々の工夫をしないと 日本魂にそむくことになる。と

話しをごまかしましたが。

Mさんには 本当に多くのことを教えてもらったなぁ 本人はそんな気は一切ないのでしょうが・・・ 始末にして みぎれいにして 生活にメリハリつけて 美味しいものをひと手間かけて作って 人を喜ばせることが大好きで そんな90代に 自分もなれたらいいなあ と 思えるような人に会えた幸せ。

そして 自分のかまどのことをしっかりと冷静に 俯瞰してみれる 自分でありたいと。 そうすれば 少しは 財政のあり方に口出しできる自分になれるのだろうか と思ったりして。

誤解しないでいただきたいのは 買える方は どんどん そういうものを買うべきです。 経済の循環 経済の活性 そうされてください。

ひとりひとりが 収支の計算して それこそ昔の格言  入るを量りて出ずるを為す もっと 己を知らんとあかん・・・と反省。 足元をみて なるべく 人に迷惑をかけないように 自分で自分の始末をできる暮らしを 私たち 一人一人が意識して行えたら きっと 日本の財政状態は 健やかに 安定してくるのだろうな と 願うのです。