おもしろい子

小学生のKーちゃんという男の子がいる。

この子のポツリと放つ一言が えらく私のツボにはまり。大笑いすることがある。

先日など 私との演習の合間の雑談中。何気なく 「そういえばKーちゃん。中学受験したいとか前言っていたよね」

「うん。受験。したい」

「で なにか対策練ってんの?」との私の問いかけに

「塾の資料を取り寄せたら、電話攻撃がすごくて困っているんです。で、電話に出ないという対策に出てます」

「そりゃ仕方ないよね。あっちだって営業だもん。でもなんでさ なんで 開成中学校に行きたいの?」

小学校5年の彼は 「だって カッコいいじゃないですか。一人電車で通学できるんですよ。皆とは違う学校で心機一転。そして電車に乗って通学ってそれだけでカッコいいと思いませんかA子さん」

「えええ それだけで あんないい学校が側にあるのに。受験したいんだ。・・・で、受験してさ 仮に受かったとしてだよ。受かって、高校は・・・」と話をしようとする私に

「いえ あの高校もあるから 高校受験しなくていいんですよ。それってますますカッコいいじゃないですか」とウキウキと言う。

「高校卒業した後は どうすんの?」と ついつい からかってみたくなって 追いかけると。

ふ・・・用意していなかった予測に困り、 あの SINGのコアラのキャラクターのふっ…と眉根を寄せる表情を浮かべて

「いや・・・高卒かもしんないし。わかんないっ。その後のことは。…それが、カッコよさだけを求めすぎた男の末路…ってやつですよ。きっと」 肩を落として呟く 小学5年生。

面白い。面白くって 一分くらい笑いが止まらなかった私に

そんなに笑わないでと 困った顔をするのが それが あのネズミのキャラクターのガンバのようで また面白くなり…

私は 思わず Kーちゃんにこう言っていた。

「大丈夫だ Kーちゃん。君は もしも高卒でも きっとすごくいい人生を歩いていくよ。お笑いの道というものがあるかもしれないし。その性格、そのセンス。なかなかいないよ 大学に行っても必ず エンターテイメント そっちの何かを 忘れずに過ごしておいきよ。話術を磨くことに やっきになっている人の多い中でさ。Kーちゃんのような 間合いのヒトって 万に一人だと あたし思うよ」と ついつ雑談が長引きながらも いつもより拍車がかかり問題多く出来たような気のする時間でした。