カフカ

なぜだか、この年になってカフカを読もうと思った。

普通、こういう作家の文章は、多感極まる青春時代、おそくとも20代までに読むものであるはず。
今更 無理して読んだってどうなる?と書店で何度も思った。
暫く迷いながらも
100年以上も書店に残り続けるような名作というものを読まずに過ごしてしまった後悔を残さないようにと、
2024年の夏、カフカ作 「変身」を この夏休みの一冊として買い求めた。

まだ 感想を言えるほどではないながらも、100年以上前に書かれたものと思えないほど、カフカは、面白い文章を書く人ということに驚かされた。
独特の文体で綴られるのは、翻訳の人の癖なのか、カフカ自身の文章が実際そうなのか・・・当然、カフカの文章にそっての翻訳なのだから カフカの文体と言ってもよいのか。

自虐的なユーモアを取り入れて、ありえないモチーフの世界へと惹き込んでゆく文章。
こういう文章は 三島由紀夫とか、現代の作家さんでいうと森見登美彦あたりが書きそう。

この短編は もう 凝り固まった感性には、少し想像力が要るので、もう一回ぐらい読み返さないと感想文は書けないながらも、言葉運びがすごく面白い作家さんなのは間違いない。
こういう文章を書ける人っていいなぁ…と世界のカフカを羨む自分がいる。

森見登美彦さんも、三島由紀夫さんも
あのお二人に共通するところは、頭脳がものすごく良いということだから、語彙力が半端ないことと、人を説得する力のある文章力に長けている点であるからして、きっと このカフカという人もそういう人だったのだろうと想像する。

今夜 ベッドの中で また読み直そう。
このカフカの変身を読み終えたら 感想ノートを綴り、それがこの3名の著名な作家さんたちに憧れる自分の夏休みの宿題ということにしている。