地に足をつける。 トンプソンインターナショナル

日記

    地に足をつける。

    地に足をつけた生き方をしなさい。 と、 みな一度はどこかで聞いたことのある言葉だと思います。

    地に足をつけた生き方と聞いて、すぐに本当に即、浮かぶ方がいます。

    70代の男性でした。 生徒様でした。

    穏やかな方でした。 まだ銀行引落を導入していない時期でしたのでレッスン費はいつも新札でご用意をされているようなそんな方でした。

    優しい心遣いをしてくださる方でした。

    実のお兄様が病気で倒れ、英語のレッスンを中断することとなりました。 年の離れたお兄様は 独身でご家族がいなく 元医師であった自分が最後まで看取るのが役目だと思っている・・・と 奥様を連れ立ってわざわざ 私達のようなところまで挨拶におみえいただいた。

    電話一本で終えられることなのに わざわざ 大変な毎日を過ごされているのに おみえいただけただけで感極まるのに。

    その方は、一ヶ月分のレッスン費を 新札で封筒に入れられてお持ちになり、 私が おやめになる月の15日前ですので、翌月分は結構です。お気持ち大変ありがとうございます。と、申し上げると

    「今月中のお話では 失礼にあたります。お納めください。そして また機会があった際にはまた迎え入れてください」と おっしゃった。

    外までお見送りした時に 奥様を後ろに連れて これから 兄のところに行ってまいりますと 向かって行かれる先は、地下鉄の駅だった。

    タクシーにいくらでも乗れる方なのに、歩いて地下鉄駅の階段を降りてゆく後ろ姿が 神々しかった。

    こんな人物に出会えてありがたかった・・・と心の底から頭がさがった。

    地に足がついた生き方と聞いてしまうと・・・私は あの方の穏やかな、落ち着いた微笑みをまず一番に思う。

    経済的に恵まれた人だから そういう生き方ができるんだ・・・というような声があるとしたのなら 私は、それは違う。と これは 声を大にして言えると思う。

    成功したいとか なになにしたい とか もっと自分に正直にしたいことをしようよ その方がお金に好かれるよ というような見出しの本に興味がないわけではない。

    実際に お金儲けのセンスのある方のなかには 好きな仕事を 意欲的にやり、センスのある人脈作りの中で 楽しく うきうきと 上昇気流に乗っていらっしゃる人も大勢いる。

    その仲間入りをしたいものだ。などと 自分のあたわりを忘れ、あれこれ フワフワと地から足が離れそうになるとき。 ハッ! と 戒めの気持ちを持つときに 私はあの方の存在を思う。

     

     

     

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