爪化粧

ネイルの施し、爪化粧をしばらくしないでおこうかと思ってます。

理由は、自分には爪化粧を美しく保ち続ける管理能力がない。と諦めたから。

言い訳はたくさん、あります。 忙しいからとか、頼りにしていたネイリストさんがお産で暫く復帰できずにいるなか縁あって紹介を受けたネイリストさんの休日が偶然自分の休日と一緒で、仕事の合間にネイル・・・というのも後ろ向きな時間となってしまう。とか、色々あるけれど。一番の理由は、私は手元までしっかりと管理して保つというそういう美意識がない。と、思ったのだ。

その点、82歳の我が母の方が管理能力がある。彼女は4週目になる前に必ずネイリストさんのところへ行き、きれいに赤と透明のフレンチにしてもらい続けている。父の11年にわたる自宅介護の中、自分の気持ちを奮い立たせるために始めた手元の化粧。 「お父さ~~ん、伊都子さん 手元はホステスさんよ~~」と父のおむつを替えていた光景がついこの間のようでも 結構な月日の中彼女はネイルをし続けている。それも剝がれたり 伸びすぎたり みっともなくなる前に、必ず キチッとネイルサロンに行く優等生である。

父の逝ったその後は、色々なところで、お手元きれいですねぇ~~~。ネイル素敵ですね。とか褒められることが励みとでもなっているのであろうか、褒められるたびに「手元は18よ」と嬉しそうにしている。

が・・・娘である 私の手元ときたら 何週間もネイリストさんのところに行けず(日、月が定休日だからどうしても自分の休みと合わない)数本のジェルネイルも剥がれ落ち。残っていてるネイルも根本が伸びてきてヒジョーにみっともない。常になぜに、こんな思いをしてまでネイルをしに行かなければと思わなければいけないのだ?←この言い方なくらい 思考回路がこんがらがっていたのです。ホントに。・・・とは思っていたのですが、その自分への問いかけに決定的なこたえをくれたのは。あるテレビ番組で、名前の知らないタレントさんが 私のような爪をしてテレビに出ていたのです。

その状態は客観的にみると、テレビに出演するのに。ということを差し引いても、いいものではないのだ。と、やっと、わかったのです。

皆さま、ご存じでしたでしょうか。

意外や意外、いや 意外でもないか・・・男の人というのは手先をすっごく見ているようです。

歌でもありますでしょ。きれいな指していたんだね 気づかなかったよ とか。

そんな視点だけではなくですね。これ、わたくし 年取ってから分かったことなんですが 男の子も男の人も 私をそういう対象とみなくなってくるとですね。実に色々な 心の機微を語ってくれるようになり、へえええ そうなの? と思うようなことを ポロッと言ったりします。

ある男(ヒト)が、「その女性は、手が どうしても自分の好みでないので だめです」と 言ったことに

なぬうう? と 驚いてしまい 何言ってんのあんた?どーいうことよそれ? と 問い詰めると

自分はどうしても手で異性を選んでしまう。どうしても受け入れられない手、指というのがあるんです。

と遠慮がちに言ったことは 正直、ショッキングだった。

だって その女性は すごくきれいで、性格もよく、パーフェクトな歯並びと 文句のつけようのない女性なのである。

そんなことってありなのか。と、疑問に思いながらも しかし同時に、自分の痛い思い出が蘇ってきたのです。 好きだった男の子となんとかかんとか付き合うことの出来た最初の頃。フッと何気ない拍子に その人が

「オマエの手って、他は細いのに、なんでそんな手をしているんだ?」と言ったことが今でも実は忘れられないでいたことを その瞬間に思い出したのです。私はその言葉を聞いた瞬間に、もう 別れの言葉をその人からもらった気持ちでたことを思い出しました。

と・・・そんな話はどうでもよくて。

持って生まれたパーツで、意中の相手との出会いも決定づけられたとしても、それは悲観するべきものじゃない。と、いまになると 分かるのです。

それよりもなによりも悲観するべき重要なことは、その管理の出来ていない、きったない手元を野放しにしている自分の姿勢よ。と、叱咤し、ドラッグストアで 爪やすりと爪磨きを購入し、ワセリンを買ってきました。結局台所仕事の多い自分がつけられる保湿剤は、無香料のワセリンかオリーブオイルくらいしかないのかもしれない。・・・と。奥さん働き者の手ねぇ~といつも褒められる?この手に手入れを丁寧にするように心がける手元になろう。

そうすれば、私の手元をみたツルハドラッグの店員さんも お! 結構年いってるけど この人 がんばってるね。と、好意的な目でみてくれるかもしれない。

そう、それでいいのだ。 食指の示されない手でも好意的な視線で受け止められる手であれば。それで良い。